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2010-05-23(Sun)
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「飛行少女(下)」 伊島りすと


6年前に初めて読んだときは、ひたすら怖くて、それから図書館でこの本を見ても避けて通っていました。

今回、再読して、もう少し落ち着いてこの本と向き合うことができました。

広島・長崎に続いて原子爆弾が落とされた架空の都市・桜市を舞台にしています。
60年近く(本書は2003年を舞台にしています)たって、16歳たちの体に異変が起きはじめます。
それが60年前の原爆に起因しているらしいことが分かってきます。

途中で、原爆を落とされた直後の桜市の描写が出てきます。
焼けた町や人々の描写がとてもリアルで、本当に怖い。
どうしてここまで書くんだ、って思うくらいのリアリティなんだけど、気がついたのは、これが65年前に現実にあったことなんだということ。

この飛行少女という物語は、たくさんの理不尽や矛盾が残るお話です。
どうして16歳は死ななければいけなかったのか、とか、何のために自死を起こすのか、とか、分からないことだらけです。
でも、65年前に、現実に広島・長崎でこれ以上にもっともっと理不尽なこと、わけの分からないことが起こった。
訳の分からないまま死んでいった、消されていった人たちがいた。

この「飛行少女」には、願いが込められていると思います。
どんな願いかは分からないけど、あの時あったことを忘れないでほしい。
消されていったことを忘れないでほしい。
まっすぐに、自分のことを見てほしい。
目をそらさないでほしい。
そういう願い。

この本は物語だけど、65年前のお話は現実のこと。
本当に怖いお話だけど、現実はもっと怖ろしい。

「原子爆弾はもう落ちてこない」
もう2度と、この世界に怪物は現われない。
この世界のすべての人が、このことを約束できる日を願っています。


題  名:飛行少女(下)
著  者:伊島りすと
発  行:角川書店
発行年:2002.8


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コメント

わたし、

生まれてこの方、
ずっと広島で暮しています。

・・・なので、幼い頃から「平和」について学び、考えることは、
言わば日常ですし、
もちろん、父方、母方どちらの身内にも
被爆者がいたりします。

今現在の日本では想像すらできない
理不尽で、このうえない恐怖が身に降りかかった人達が身近にいるものの、
だからこそ、深く考えるのが辛いです。

今も地球のそこここで、
あの日の「理不尽」に直面している人がいると思うと、
苦しさすら憶えます。

どうして「戦争」ってなくならないのかな?
大勢の誰かを殺して成り立つ
誰かの幸せは、ホントの幸せじゃない気がするのは
わたしだけでしょうか?

ぽぽさん

コメントありがとうございます。

>大勢の誰かを殺して成り立つ
誰かの幸せは、ホントの幸せじゃない気がするのは
わたしだけでしょうか?

私も全然ホントの幸せじゃないと思います。
きっと、今の日本の平和も、たくさんの人の犠牲があってなんだと思います。


小学1年生のときに、学校の夏休みの登校日に広島の実写のビデオを見ました。
私は6歳で、何にも分かってなくて、今にもあんな風になってしまうんじゃないかって思って、全く別の世界になってしまったくらい怖ろしかったのを覚えています。

覚えているというより、24年たった今でもあのときのショックが続いている気がします。
ぽぽさんとは違うかもしれないけど、私も深く考えるのが怖いです。

だから、この本をしっかり読めて、少しは向き合えたこと、よかったなと思います。
ぽぽさんから見たら、甘いヤツかもしれませんが・・・

コメントもらって、うれしかったです。
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